健康診断では、「異常なし」、「軽度異常」、「要経過観察(生活改善・再検査)」、「要医療」(「要治療」、「要精密検査」)などと判断されます。
検査結果が正常範囲内だったことを表しますので、特に心配する必要はありません。毎年、健康診断を受けましょう。
軽度の所見を認めますが、特に日常生活に差し支えはないと思われます。
生活習慣を再度見直し、自覚症状などがあるときは、早めに医師に相談しましょう。
今回の検査結果だけでは、異常所見が一時的なものか持続的なものか判断できません。
かかりつけの医師や近所の医院を受診し、生活習慣などの改善を心がけ、悪化を防ぎ、再検査を受けましょう。
すでに治療が必要な異常値が見つかった状態です。
すぐに専門医を受診して、的確な診断を受け、最適な治療についてしっかり相談してください。
さらに詳しく検査する必要がありますが、精密検査の結果、異常がないという可能性もある状態です。
精密検査で、健康診断だけでは特定できない病気についてしっかり調べてください。「要精密検査」と言われたら、必ず受診してください。
当院では、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症)、尿検査異常、腎機能低下など、診療科目を中心に健診異常に対する経過観察、再検査が可能です。また、更なる精査が必要な場合には、近隣医療機関にご紹介致します。ご不明な点は、お問い合わせください。
*当院では、消化器内視鏡検査、婦人科検査、及び、呼吸器や循環器疾患などの詳細な検査を行うことができません。結果から必要と判断した場合には、専門医療機関を紹介させていただきますので、ご了承ください。
健康診断や病院で血圧を測定すると、普段よりも血圧が高いことがあります。緊張状態や環境の変化など、さまざまな要因が影響します。高血圧を指摘された場合、まずは自宅で安静時の血圧を数日、測定してください。
高血圧を指摘された場合にご家庭で行うことは、
@1日の食塩摂取量を6g未満に抑えること
A運動をすること
*久々に運動する場合は、かかりつけの医師や近所の医院で相談してください。
BBMIが高値の方は、減量すること(現在の体重の3%程度を目標に)
C喫煙者は、禁煙することです。
収縮期血圧160mmHg以上や拡張期血圧100mmHg以上の場合は、早めの受診をご検討ください。
2週間程度生活習慣を見直しても、高血圧が続く場合には、受診をご検討ください。
日本ドック学会の判定区分(2021年度版)によると、HbA1c5.5%以下、かつ空腹時血糖値99mg/dl以下が正常です。
「軽度異常」や「要経過観察」の方も、早期の生活習慣の改善が必要です。ご不明な点がありましたら、御来院ください。
糖尿病と診断される「要医療」は、HbA1c6.5%以上、かつ空腹時血糖126mg/dl以上です。この値の場合は、早めの受診をご検討ください。
糖尿病の早期は無症状ですが、高血糖が続くと、血管を痛め、さまざまな合併症が出現していきます。HbA1c5.9%ですと、軽度異常に当たります。早期の生活習慣の改善を行なっていただき、健康診断を毎年受診して注意深く経過観察してください。すぐに薬はいりません。
生活習慣において改善するポイントは、以下の通りです。
@喫煙者は禁煙し、また受動喫煙を回避しましょう
A食べ過ぎに注意し、標準体重を維持しましょう
B肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆商品の摂取を増やしましょう
C野菜、果物、海藻の摂取を増やす
D食塩摂取量 1日6.0g未満
Eアルコールの過剰摂取を控える
F毎日30分以上、有酸素運動を行う
治療については、管理目標値を設定し、目標に達しない場合、薬剤投与の検討を行います。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン「第3版」における治療アルゴリズムでは、生活習慣の是正を促す生活指導が、薬物治療に優先して記載されています。
腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの合併症を有する血清尿酸値8.0mg/dl以上の無症候性高尿酸血症では、薬物療法を考慮します。合併症のない場合は血清尿酸値9.0mg/dL以上から薬物療法を考慮します。
eGFRは、クレアチニン値と年齢や性別から推定された糸球体濾過量を表し、60ml/分/1.73u以下から異常値と判定され、腎機能が低下していると考えられます。eGFRと尿蛋白の量から、慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)の重症度ステージを決定し、原因となるリスク因子の管理や心血管疾患の精査をおこない、診療方針を決定していきます。
下表でオレンジや赤に分類される方で、原因精査が行われていない場合は、一度専門医療機関への受診がすすめられます。
尿蛋白陽性の場合、尿検査をして、尿蛋白が1日にどのくらい排出されているか(推定蛋白量)を調べます。尿蛋白の排出が多い場合には、血液生化学検査、腹部CTや腎臓・膀胱エコーなどを行います。
蛋白尿には、生理的なものと病的なものがあり、生理的蛋白尿の原因としては、発熱、運動、入浴、起立性、精神的ストレス、タンパク質の過剰摂取などがあります。腎炎や高血圧、糖尿病、肥満の方などは、腎障害により蛋白尿が出現している可能性があります。また、全身性の疾患や泌尿器疾患など腎臓の病気以外でも、蛋白尿が出現する場合があります。
尿潜血陽性の場合、赤血球尿の確認のため、尿を顕微鏡で観察し、尿中の変形赤血球や円柱などが出現しているかどうかを確認します。血尿が見られる場合には、腎臓・膀胱エコーや腹部C T、尿細胞診検査などを行います。
腎臓が原因である糸球体性血尿では、尿中の変形赤血球の出現や蛋白尿の合併などが見られます。この場合、精査のため腎臓内科(専門医療機関)での診察が必要です。尿路系血尿では、尿路系の炎症、結石や腫瘍などが原因と考えられ、精査のため泌尿器科(専門医療機関)での精査が必要な場合があります。
健康診断で血尿が陽性となった場合、原因を特定するための追加検査が重要です。
血尿には、腎臓や尿路の病変、感染症、結石、腫瘍など様々な原因が考えられるため、血尿の原因に応じた対処が必要です。
以下に、血尿陽性時の一般的な対応手順を説明します。
健康診断で血尿が検出された場合でも、再検査を行って確実に血尿があるか確認することが推奨されます。
初回検査が偶然の一過性のもの(例:激しい運動後の一時的な血尿など)である可能性もあるため、少なくとも数週間後に再度尿検査を行うことが望ましいです。
血尿の原因を調べるために、医師が問診と診察を行います。以下のような情報が診断に役立ちます。
再度の尿検査では、血尿の他にも、尿中の細胞成分(白血球、蛋白質、細菌など)を調べ、感染症や腎疾患の可能性を検討します。
血尿の原因が分からない場合には、以下の画像検査が行われることが一般的です。
血尿の原因として腫瘍(特に膀胱がんや腎がん)の可能性がある場合、尿細胞診が行われることがあります。
この検査は、尿中のがん細胞の有無を調べ、がんが原因である可能性を評価します。
血尿があり、特に膀胱や尿道の異常が疑われる場合、膀胱鏡による内視鏡検査が行われることがあります。
この検査では、膀胱内を直接観察して、腫瘍や炎症、結石の有無を確認します。
診断結果に基づき、血尿の原因に応じた治療が行われます。
健康診断で血尿が陽性と判定された場合、一過性のものかどうかを確認するために再検査を行うことが重要です。
その後も血尿が持続する場合は、腎臓や尿路に異常がある可能性があるため、医師に相談し、追加の検査を受けることが推奨されます。
腎臓がんの早期発見において、最も感度が高い画像診断法は、通常「造影CT」と「造影MRI」とされています。
それぞれについて、腎臓がんの検出感度や特徴を簡単にまとめます。
腎臓がんにおいて、造影CTは腫瘍の血流や組織密度の変化を詳細に描写できます。
特に腎細胞がん(RCC)では、造影剤の使用によって腫瘍が通常の腎組織と区別しやすくなるため、造影CTの感度は非常に高くなります。
一般的に、腎臓がんの検出における初期のスクリーニングや評価において広く用いられます。
造影MRIも腎臓がんの早期発見において感度が高い手法です。
CTに比べて軟部組織のコントラストがさらに優れるため、特に造影剤アレルギーがある患者さんや放射線被曝を避けたい場合に利用されることが多いです。
MRIは腫瘍のサイズや浸潤の範囲も詳細に評価でき、造影MRIは腎腫瘍の特徴付けに有用です。
腹部エコーは手軽で被曝がなく、多くの医療機関で簡便に行えるため、スクリーニングとして有用です。
ただし、エコーは体格や腎臓の位置、腫瘍のサイズなどによって感度が低下する可能性があり、CTやMRIに比べると腎臓がんの早期発見には限界があります。
造影剤を使用しない単純CTおよび単純MRIは、腎臓の構造を確認するのに役立ちますが、腫瘍の血流や内部の構造を詳細に評価することが難しいため、造影を伴うCTやMRIに比べると感度は劣ります。
腎臓がんの早期発見において、造影CTと造影MRIが最も感度が高いとされ、特に造影CTは腎臓がんスクリーニングや初期評価で一般的に選ばれています。
しかし、患者さんの放射線被曝や造影剤アレルギーの有無を考慮して、造影MRIが選択されることもあります。
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