外来痔核手術について

内視鏡下痔核結紮及び硬化療法

★こちらの手術は土曜日のみの完全予約制となります。

痔核(いぼ痔)とは?

痔核(いぼ痔)には、内痔核と外痔核が存在し、これは歯状腺の肛門側の肛門管に出来る外痔核と、その口側の直腸側に出来る内痔核にわかれます。

肛門管から歯状腺付近は、静脈の発達した場所で、妊娠などを契機に、静脈のうったいが生じた場合に、静脈が拡張し、いわゆる静脈瘤として発生した場合がこの痔核となります。

特に血栓が生じたときは痛みなどの症状が強く出現します。

痔核(いぼ痔)の症状とは

痔核(いぼ痔)の3大症状は、(1)肛門部痛、(2)痔核脱出、(3)肛門部出血で、これは飲酒、下痢、疲労などをきっかけとして、静脈うったいが悪化し、これが肛門より脱出することにより痛みと出血を生じます。

このように、自覚症状としてはこれらの症状が同時に発生することが多いようです。

内痔核の重傷度分類

各種の分類がありますが、一般的なのはゴリガー分類です。図の如く、4段階に分かれています。一般的に手術適応になるのは、下記の図の中でいう4度の内痔核です。

肛門から肛門管では、知覚神経が発達しており、麻酔なしで治療を行うことが出来ず、通常外痔核の治療は、主に入院下で硬膜外麻酔などを用いて、外科的治療を行います。

しかし歯状線より直腸側に発生する内痔核では、知覚神経がなく、肛門部痛や出血を生じている2度、3度の痔核でもこの内視鏡治療の適応となります。

本治療の位置づけ

本治療の効果は、痔核を結び、患部を切ることで、脱出した粘膜を直腸内に引き上げ症状が軽快すると考えられます。

したがって、外科手術のように、完全に痔核(いぼ痔)の症状を悪化させるのではなく、症状を軽快させるもので、薬剤療法と手術療法の中間療法と考えられるものです。

実際の方法

この治療は内痔核(いぼ痔)に大腸内視鏡(ファイバースコープ)を用いた治療です。外来に通っていただくだけで治療ができ、食事制限や麻酔は必要ありません。前処置は治療当日に100cc程度の浣腸をかけるだけです。

治療は2回に分けて行い、1回目は痔核(いぼ痔)に対して、大腸内視鏡を用い輪ゴムをかけることにより痔核を結んでいきます。2回目は1週間後に行います。痔核の状態を大腸内視鏡で観察し、痔核が残存している場合は追加療法として硬化剤を痔核および痔核周囲に注射します。

治療後の注意

治療後食事制限は特にありませんが、アルコール・刺激物などは出来るだけ避けてください。
日常生活は特に制限はありません。

基本的には治療中、治療後に痛みは殆どありませんが、治療後の合併症として

  1. 肛門部痛
  2. 肛門出血

これらの症状が出現した場合はすぐご連絡ください。
通常は自然に軽快しますが、まれに内視鏡による止血などが必要となることがあります。

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