日本では、毎年約38万人ががんで亡くなっています。男性はおよそ4人に1人、女性は6人に1人が、がんで命を落としているというデータがあります。
しかし近年の研究により、がんの多くは「生活習慣の見直し」によって予防できることが明らかになっています。
がんの原因は「生活習慣」にあり
国立がん研究センターなどの調査によると、がんの発症に関わる主な生活習慣は以下の5つです。
これに加えて、ウイルスや細菌による感染症(例:C型肝炎ウイルス、ピロリ菌、HPVなど)も重要な要因のひとつです。
この「5つの生活習慣+1つの感染症」は、がんのリスクに大きく関わっており、特に男性ではがんの約3割が、女性では約1割が、これらによって発症していると考えられています。
国立がん研究センターが行った長期の疫学調査により、がんの予防には「5つの生活習慣の改善」と「感染症対策」が重要であることが科学的に示されました
これらを意識することで、がんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病のリスクも同時に減らすことができます。
タバコはがんの最大の危険因子のひとつです。
喫煙によってリスクが上がるがんには、肺がんだけでなく、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、膵臓がん、膀胱がん、肝臓がんなど多岐にわたります。
さらに、喫煙によって男性の約28.8%ががんにかかったというデータがあります。
これは、「非喫煙者のがん罹患リスクを1.0としたときに、喫煙者は1.6倍がんになりやすい」という結果に基づいています。
※女性も1.3倍のリスクがあるとされています。
また、喫煙はがんだけでなく、脳卒中やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、歯周病、心筋梗塞、2型糖尿病、早産や胎児発育不全など、全身にさまざまな影響を及ぼします。
とくに注意が必要なのが「タバコ」です。喫煙は、肺がんだけでなく、以下のような多数のがんと深く関わっています。
また、脳卒中、心疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、2型糖尿病など、がん以外の重篤な疾患にも大きな影響を与えます。
ある大規模な疫学調査では、喫煙者は非喫煙者に比べて「1.6倍」もがんにかかりやすいことがわかりました。これは、広島や長崎で被爆した人の発がんリスク(約1.5倍)を上回るリスクです。
さらに、1990年時点のデータをもとにすると、**日本人男性の約28.8%が「喫煙が原因でがんになった」という結果も出ています。
つまり、「たばこを吸っていたからがんになった」という人が、約3人に1人もいるということです。
「今さらやめても意味がない」と思われがちですが、禁煙には何歳からでも効果があります。
早ければ早いほど効果は大きく、50歳以降でも禁煙によって心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らすことができます。
「今さら禁煙しても遅い」…そんなことはありません。
喫煙を続けている方の中には、「長年吸ってきたから今さら禁煙しても無意味だ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、禁煙には何歳からでも効果があります。
統計によれば、喫煙者は非喫煙者より平均して寿命が10年短いとされています。ところが、禁煙の時期によって、その寿命差は大きく縮まることがわかっています。
つまり、できるだけ早く禁煙すればするほど、寿命は取り戻せるのです。
また、50歳を過ぎてから禁煙した場合でも、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが低下するため、全体的な死亡リスクは確実に減ります。喫煙者でも、禁煙することで健康を取り戻すチャンスがあるのです。
当院では、次のような取り組みを通じて地域の皆さまのがん予防と早期発見に力を入れています。
がんは、早期発見・早期治療が何よりも大切ですが、「ならないようにする努力」も同じくらい重要です。
がんは「突然襲ってくる病気」ではなく、長年の生活習慣の積み重ねによって生じる病気です。
私たち医療者は、その生活習慣を見直すお手伝いをしたいと考えています。
「タバコをやめてみようかな」「健康診断を受けてみようかな」と思ったその時が、第一歩です。
当院では、禁煙支援、がん検診、生活習慣のアドバイスなどを通じて、皆さまの健康をサポートしております。どうぞお気軽にご相談ください。
がんは、初期には自覚症状がないことが多い病気です。定期的な健康診断やがん検診を受けることで、早期発見・早期治療につながります。
当院でも各種がん検診や健康相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
がんは、日本人の死因第1位であり、生涯で男性の約4人に1人、女性の約6人に1人ががんで亡くなっています(図1)。しかし、近年の研究から、がんの多くは生活習慣を見直すことで予防できることが明らかになってきました。
「がん検診ガイドライン情報手順」に示されているように、がん検診の推奨度は「科学的根拠の強さ(有効性)」と「検診を受ける人にとっての利益と不利益」のバランスから評価されています。
たとえば:
がん検診は「受ければ安心」ではなく、科学的な根拠に基づいて選ぶことが重要です。
子宮頸がんの主な原因となる**HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染は、ワクチン接種で予防できます。
近年では、HPVワクチンの定期接種に加え、20歳以降の女性を対象とした検診によって、子宮頸がんの予防効果がさらに高まることが期待されています。
また、胃がんの主な原因とされるピロリ菌感染についても、除菌治療により発がんリスクを大きく減らせることがわかっています。
がんを防ぐには、以下の「5つの生活習慣の改善」と「感染症への対策」が鍵になります。
発がんリスクを最も高めるのが喫煙。禁煙は今からでも遅くありません。
日本酒換算で1合以上の飲酒は、がんリスクを上げることが知られています。
野菜や果物をしっかりとること、塩分を控えることが大切です。
日常生活の中で軽い運動習慣を取り入れるだけでも効果があります。
肥満もやせすぎも、がんリスクを高める要因です。
肝炎ウイルスやピロリ菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)などの感染も、がんのリスク要因です。ワクチンや定期的な検査を通じて予防しましょう
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