甲状腺は、体の機能維持に必要なホルモン(甲状腺ホルモン)をつくる器官です。
首の前部、男性でいうのどぼとけの下に蝶が羽を広げたような形で存在しています。
甲状腺ホルモンは、甲状腺でつくられた後、血液の中に入り、身体の隅々まで運ばれます。
そして体の各組織に到達し、次のような働きを示します。
甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが悪く、十分な甲状腺ホルモンが作られないか、作られていても前述の甲状腺ホルモンの作用が現れない病気です。
甲状腺機能低下症には、先天的なものと後天的なものがあります。
先天的なものの多くは、甲状腺がないか、また、あったとしても正常の位置に存在しないものです(舌などに存在することがあります)。
その他に甲状腺が正常な位置にあっても遺伝的な要因により甲状腺ホルモンが作れない場合もあります。
後天的なものの多くは、慢性甲状腺炎(橋本病)によるものです。
いずれの場合も女児に多く、甲状腺ホルモンが不足しておりますので治療せずに長期間経過しますと、成長・発達が著しく送れ、低身長・知能障害をきたします。
そのため、早期に発見し、直ちに治療を開始せねばなりません。
甲状腺機能低下症の症状は新生児期にはほとんど無いか、下図に示すようなものをいくつか見るに過ぎません。そこで早期発見・早期治療を行うために新生児マススクリーニング(生まれた赤ちゃんの血液をとって、甲状腺に異常がないかチェックすること)が実施されるわけです。
このため、一部の患児ではこれらの症状になくても先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)と診断されることがあります。
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