片頭痛の原因

片頭痛の原因と治療を正しく理解する。

〜あなたに合った対策で、つらい頭痛からの解放を目指しましょう〜

片頭痛(片頭痛)は、単なる「頭の痛み」とは異なり、脳の神経や血管が関与する神経血管性の疾患です。痛みは突然起こり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

この記事では、片頭痛の原因・誘発因子(トリガー)・治療法・日常生活での対応策について、図解を交えながらわかりやすく解説していきます。

片頭痛とはどういう状態?

片頭痛の発作中、脳の血管が拡張し、三叉神経から炎症性の物質(CGRPなど)が放出されます。これが痛みの伝達やさらなる拡張を招き、ズキズキするような拍動性の痛みを引き起こします。

図では血管が「キューッ」と収縮したあと、急激に拡張している様子が描かれています。これにより頭痛が始まるのです。

偏頭痛の病態

片頭痛は、脳の神経から痛みの原因物質であるCGRPなどの物質が過敏に放出され、脳の血管に作用して起こるといわれています。

図1 片頭痛治療薬はこの流れを様々なポイントでブロックします。

偏頭痛の誘発因子・増悪因子

偏頭痛の誘因(トリガー)と増悪因子

偏頭痛には、様々なきっかけや悪化要因があります。以下のようなライフスタイルの乱れや環境要因が代表的です。

  • 食事因子:空腹、過度の飲酒、カフェインの摂取過多、特定の食品(チーズ・チョコなど)
  • 精神的因子:ストレス、ストレスからの解放(休日など)、緊張、疲労
  • 内因性因子:月経周期、ホルモン変動、睡眠不足や過眠
  • 外因性因子:天気の変化、強い光、温度差、騒音、香料など

偏頭痛が起きたときは、「どんな状況だったか」「何を食べたか」「睡眠はどうだったか」を記録しておくことで、自分の誘因を知ることができ、予防にも役立ちます。

片頭痛の誘発因子・増悪因子としては、下に示すものはありますが、患者さんひとりひとりで異なります。

ご自身の誘発・増悪因子を把握しておくことで、治療をより効果的に行うことが可能となります。

  • 神経的因子:ストレス ストレスからの解放 疲れ 寝不足/寝すぎ
  • ライフスタイル因子:運動 欠食 性的活動 旅行
  • 内因性因子:月経周期
  • 食事性因子:空腹 脱水 アルコール 特定の食品

片頭痛治療対象と主な対処方法

頭痛が日常生活に少しでも支障をきたしている場合、片頭痛治療(急性期・予防)の対象となります。

痛みや強さの頻度によって、生活への影響はさまざまです。

  • 軽度:仕事・学業は何とか続けられるが、集中力が下がる。
  • 中等度:横にならないと耐えられない。授業・仕事に集中できない。
  • 重度:寝込むほどの強い痛み。外出や仕事が不可能になることも

発作が生活を脅かすほどであれば、治療が必要なサインです。

片頭痛による日常の支障度

片頭痛には様々な治療法があり、医師と相談のうえ、あなたの希望に合ったものを選ぶことができます。

偏頭痛の治療方針と主な治療法

治療には、「急性期治療」と「予防治療」の2種類があります。症状の程度・頻度・生活への影響に応じて選択されます。

急性期治療(発作が起きた時に使う薬)

【軽度〜中等度の発作】
  • 市販の鎮静薬(アセトアミノフェン・NSAIDなど)→軽度の場合には効果があります。
  • トリプタン製剤(処方薬)→血管拡張を抑え、発作の進行をブロックする薬です(内服・点鼻・注射あり)
  • CGRP関連製剤(新しいタイプの薬)→発痛物質CGRPの働きを直接抑える。トリプタンが使えない方にも有効
         
【重度の発作】
  • 早めの服用が重要。発作が本格化する前に内服を

予防治療(発作の頻度や重症度を減らす目的)

  • 月に2回以上の中等度〜重度の発作がある人
  • 発作のたびに仕事や学校が困難になる人
         
【予防薬の種類】
  • 抗てんかん薬・β遮断薬・カルシウム拮抗薬など(従来型)
  • 抗CGRP抗体製剤:月1回の皮下注射で、発作頻度・強度を大幅に減らせる場合も
主な対処方法 (治療含む) 片頭痛の誘発因子・増悪因子を避ける等の生活習慣改善
+追加
急性期治療薬 +追加
急性期治療薬のみでは片頭痛発作による日常生活の支障がある 等
予防治療薬
(発症抑制薬)
軽度〜中等度
痛み止め
非ステロイド性抗炎症薬などの解熱鎮痛薬
軽度〜中等度/中等度〜重度
片頭痛薬治療薬
トリプタン系 ジタン系(経口点鼻、注射)
はじめは抗てんかん薬、降圧薬の一部など(主に経口) 次に検討→ 片頭痛薬治療薬
CGRPやCGRP受容体をターゲットにしたお薬(注射)

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