COVID-19は5類感染症移行後も流行を繰り返しているが、高齢者を中心に未感染者が多い事やJN.1やKP.3など免疫回避力の強い変異株の出現が背景にある。
COVID-19ワクチンは2024年4月から定期接種B類となり、秋冬1回接種となった。
新しくJN.1対応ワクチンが使用される見込みであり、既にマウスにおける良好な免疫原性が公開されている。
また定期接種対象者以外も任意接種が可能となり、医療従事者をはじめ健常者にも広く接種が推奨される。
重症化予防効果だけでなく、発症予防効果が期待されること、接種後に発症しても家庭内伝播率が下がり、罹患後症状の出現率も低下するなどのメリットがある。
現在、「K.P.3株」が主流となっております。
「K.P.3株」はJ.N1の子孫株であり、従来の変異株と比較し、より高い免疫逃避能を保持していると言われています。
新型コロナ感染症の疫学的状況、ワクチンの有効性、安全性、費用対効果等に係る科学的知見等に基づき、令和6年度以降、新型コロナをB類疾病とし、重症化予防を目的として、高齢者等に対する定期接種として実施。
9/20(金)〜予定
秋冬(年1回)
60歳以上の新型コロナウイルス感染による重症化率・致死率は依然高くなっており、インフルエンザと比較すると、3倍以上とのデータがございます。
ダイチロナはmRNA製剤の中で唯一の国産のワクチンです。効果面はファイザー製と比較しても劣らないと報告されております。
スパイク蛋白質は全長遺伝子が1273個のアミノ酸から構成されています。
全長のスパイク蛋白質に2カ所の変異を入れた脂質ナノ粒子(LNP)に内包したmRNAワクチンです。
全長のスパイク蛋白質ではなく、スパイク蛋白質の受容体結合部位(RBD)のみをコードしたmRNAを、独自の脂質ナノ粒子(LNP)に内包したmRNAワクチン。
ダイチロナがRBDを標的にしたのは様々な標的を比較した結果、薬効もRBDの方が優れていたという。また RBDは222個のアミノ酸と小さく、製剤を作る上で優位性があるため。
「ダイチロナ」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して第一三共が開発したmRNAワクチンです。
COVID-19ワクチンは、2021年2月に米Pfizer社とドイツBioNTech社の「コミナティ」が承認を取得し、2021年5月に英AstraZeneca社の「バキスゼブリア」、米Moderna社の「スパイクバックス」が承認されてました。
ダイチロナの一般名は、コロナウイルス[SARS-CoV-2]RNAワクチンです。
ダイチロナの承認の根拠となったのは、18歳以上を対象とした国内第2/3相臨床試験相当の追加免疫試験(146試験)の結果です。
新型コロナウイルス起原株に対するダイチロナ接種後の中和抗体価(GMT)の値について、対照薬(コミナティとスパイクバックス)接種後のGMTと同程度に上昇し、中和抗体価の幾何平均上昇倍率(GMFR)では非劣性が確認されたため、日本で今回承認されました。
ダイチロナは、Modernaやファイザー製薬のワクチンのような全長のスパイク蛋白質のmRNAではなく、スパイク蛋白質の受容体結合部位(RBD)のみをコードしたmRNAワクチンです。
一方で、ファイザー製薬のコミナティやModernaのスパイクバックスといったmRNAワクチンは、スパイクししつのfull sequenceすなわち、全長のスパイク蛋白質を用いています。
第一三共のダイチロナがRBDを標的にしたのは、スパイク蛋白質の全長遺伝子が1273個のアミノ酸から構成されるのに対し、RBDは222個のアミノ酸と小さく、モノづくりの観点で優位性があるためです。
さらに、また、様々な標的を比較した結果、薬効もRBDの方が優れていたという結果を得たためでした。
SARS-CoV-2のスパイクタンパク質の受容体結合ドメインをコードするDNAを鋳型として転写したRNAを精製し、脂質ナノ粒子内に封入する。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カゼインペプトン)を使用している。
1回0.6mLを筋肉内に接種する。
12歳以上の者
通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。
過去にSARS-CoV2ワクチンの接種歴のない者には、およそ4週間の間隔をおいて2回目接種を行うことができる。
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明) 心筋炎(頻度不明)、心膜炎(頻度不明)
スパイクタンパク質は3量体(青色、水色、黄色)をとり、S1とS2領域から成る。S1領域は、さらにRBDとNTDに分けられる。
これらのワクチンは、スパイクタンパク質全体の遺伝情報(mRNA full sequence)を体内に届けます。
このスパイクタンパク質は、ウイルスが人間の細胞に結合するための重要な役割を持っているため、免疫システムに対して効果的にウイルスの特定を促します。
全長を含むことで、より広範な免疫応答を引き出すことが期待されます。
一部のスパイクタンパク質のみをコードするmRNAを使用しています。
具体的には、スパイクタンパク質の免疫応答に特に重要な部分(通常は受容体結合領域RBDなど)が選択されていると考えられます。
これにより、免疫システムが必要な部位に焦点を当てた免疫応答を行うように設計されています。
【メリット】
広範な免疫応答:スパイクタンパク質全体を含むため、ウイルスに対する包括的な免疫応答を引き出し、より多くのエピトープ(免疫系が認識する部分)に反応する可能性があります。
ウイルス変異への対応スパイクタンパク質の全体が含まれていることで、ウイルスが部分的に変異しても、残りの部分に対する免疫応答が効果を発揮する可能性があります。
【デメリット】
副作用のリスク: スパイクタンパク質全体が作られるため、過剰な免疫反応や副作用のリスクがやや高まる可能性があります。
安定性や生成の複雑さ: 全長のmRNAは部分的なmRNAに比べて分子が大きいため、安定性の確保や製造過程での品質管理が複雑になります。
【メリット】
特定部位への集中した免疫応答:スパイクタンパク質の一部、特に免疫系が最も重要とする部分に焦点を当てているため、免疫応答がより効率的になる可能性があります。これにより、必要最小限の情報で効果的な免疫を引き出せることが期待されます。
副作用リスクの軽減:全長のスパイクタンパク質をコードしないため、過剰な免疫反応や重篤な副作用が発生するリスクを軽減できる可能性があります。
【デメリット】
免疫応答の範囲の制限:スパイクタンパク質の一部のみの使用の為、全体を使用するmRNAワクチンに比べて、ウイルスが変異した場合に効果が減少する可能性があります。
不十分な長期免疫: 部分的なスパイクタンパク質のみに対する免疫応答が引き起こされるため、全体に対する免疫応答に比べて、長期的な効果やウイルス変異株への効果が限定される可能性があります。
full sequence(Pfizer・Moderna): より広範で包括的な免疫応答を誘発し、変異株に対しても効果が期待できる一方、分子が大きいため製造や安定性がやや難しく、副作用リスクが高まることもあります。
partial sequence(第一三共): タンパク質の特定の部分に集中して免疫応答を起こすことで、副作用リスクが低くなる可能性があり、効率的な免疫を提供する一方、変異株に対する耐性や長期効果に制限がある可能性があります。
それぞれのアプローチには、状況や目的に応じた利点と課題があります。
新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性― | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (amed.go.jp)
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