喫煙は歯周病の最大の環境リスクファクター

日本歯周病学会の「歯周病分類」では、喫煙による歯周炎は、「喫煙関連歯周炎」に分類される。
以下は、「喫煙関連歯周炎」の特徴(1〜3)と治療に対する反応性(4、5)についての見解。

  • (1)喫煙者は非喫煙者に比べ、歯周病の罹患率が高く、歯周炎の進行も早い
  • (2)プラーク付着量、細菌の総菌数が非喫煙者と同程度であっても、喫煙者では歯周組織の破壊が促進される
  • (3)歯肉出血量や歯肉溝滲出液量の減少傾向、歯肉のメラニン色素沈着などから、歯周組織の炎症症状が現れにくい。このことが、喫煙歯周病患者の自覚を遅らせる
  • (4)喫煙による線維芽細胞への障害は、歯周組織の傷の治りを遅らせる
  • (5)喫煙により非外科治療、外科治療(歯周組織再生治療、インプラント治療を含む)とも、治療後の経過に悪影響を及ぼす

喫煙者の歯肉の血行不良は禁煙すれば早い段階で回復し、歯周病の治療効果も高まる。期間はかかるが歯の喪失も抑えられることも明らかになってきている。

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