炎症性腸疾患

炎症性腸疾患の概念

炎症性腸疾患のうち、細菌や薬剤などはっきりした原因で起こるものを特異的炎症性腸疾患といい、感染性腸炎、薬剤性腸炎、虚血性腸炎、腸結核などは特異的炎症性腸疾患になります。

炎症を起こす原因がはっきりしている場合は、原因を取り除く治療を行います。

潰瘍性大腸炎は炎症の部位が大腸に限局しているのに対して、クローン病は口腔から肛門まで消化管のどの部位にも炎症が起こるのが特徴です。

炎症性腸疾患の疫学

潰瘍性大腸炎とクローン病は欧米で多くみられます。

本邦では1970年代までは稀な疾患とされてきたが、1970年代以降急激に増加している。それでも、2009年の臨床調査個人票を用いた推定有病率(参考値)によれば、依然欧米に比べて低率となっています。

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)広報活動/専門育成プロジェクト

炎症性腸疾患の分布(罹患率)

潰瘍性大腸炎とクローン病の比較

【潰瘍性大腸炎】

びらんや潰瘍などの病変ができる場所は、基本的には大腸に限られます。

通常、病変は肛門に近い直腸から始まり、口側(上の方)に連続的に広がっていき、大腸全体が侵されることもあります。

但し、直腸にとどまる場合や大腸の左側だけに炎症がとどまる場合などもあります。

初期の症状は腹痛とともにゼリー状の粘液が排便時に多くなり下痢になります。
しだいに粘液の量が増え、血液が混じるようになったり、(粘血便)、血便がでるようになります。

さらにひどくなると1日10回以上も粘血便や血便が出るようになります。
発熱や体重減少などの全身的症状や、まれに便秘が起こることもあります。

潰瘍性大腸炎では、これらの症状が、良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返すことが特徴です。

【クローン病】

主に若い成人にみられ、口腔に始まり肛門に至るまでの消化管のいかなる部位にも潰瘍ができ、それに伴い腹痛や下痢、血便が生じる病気です。

患者さんによって多彩で、潰瘍などが存在する病変部位によっても異なります。

特徴的な症状は腹痛と下痢で約半数以上の患者さんでみられます。

発熱、下血、腹部腫瘤、吸収障害に伴う体重減少、全身倦怠、貧血などの症状もよくみられます。

潰瘍性大腸炎の定義

主として粘膜を侵し、しばしびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症です。
WHOのCouncil for International Organization of Medical Science (CIOMS)医科学国際組織医院会で定められた名称と概念は次の通りです(1973)

特発性大腸炎 idiopathic Proctocolitis

(訳)主として粘膜と粘膜下層をおかす、大腸とくに直腸の特発性、非特異性の炎症性腸疾患。30歳以下の成人に多いが、小児や50歳以上の年齢層にもみられます。原因は不明で、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられています。
通常血性蹴りと種々の程度の全身症状を示す。長期にわたり、かつ大腸全体をおかす場合には悪性化の傾向があります。

松井敏幸.難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(渡辺班)
平成21年度総括・分担研究報告書.2010:p484-488

潰瘍性大腸炎の疫学

潰瘍性大腸炎は、特定疾患※に指定されており、医療受給者証および登録者証の交付件数から患者数をみると、2014年末には医療受給者証交付件数は170,781名、登録者証交付件数は10,779名が登録されています。合算すると18万人を超える疾患となるとともに、毎年患者数は1万〜1万5千人程度増加しています。

本邦の人口10万人に対する有病率は、1991年の全国疫学調査時は18.12であったが、臨床調査個人票電子化データを利用した2012年度の年齢調整有病率(参考値)は106.2であり、明らかな増加が認められます。

潰瘍性大腸炎の疫学的特徴として、性差はみられず、発病年齢は30歳〜39歳にピークがみられます。
※2015年1月1日からは「指定難病」となっています。

潰瘍性大腸炎患者数の推移

(医療受給者証・登録者交付件数,2014年末)

厚生労働省.平成26年度 衛星行政報告例

潰瘍性大腸炎の
臨床調査個人票に基づく発病年齢分布(2012年度)

対象:医療受給者証交付者(新規+更新)個人票電子化データ100,720件中、発病年齢の記載がある、あるいは発病年の記載があり計算が可能な94,193例

厚生労働省.2012年度臨床調査個人票電子化データ集計資料

潰瘍性大腸炎の診断基準

次のa)のほか、b)のうち1項目、およびc)を満たし、下記の疾患が除外できれば確診となります。

  • a)臨床症状:持続性または反復性の粘血・血便あるいはその既往歴がある。
  • b) @内視鏡検査:i) 粘膜はびまん性におかされ、血管透見像は消失し、粗ぞうまたは細顆粒状を呈する。さらに、もろくて易出血性(接触出血)を伴い、粘血濃性の分泌物が付着しているか、 ii)多発性のびらん、潰瘍あるいは偽ポリポーシスを認める。
    A注腸X線検査:i) 粗ぞうまたは細顆粒状を呈する。 ii)多発性のびらん、潰瘍、 iii)偽ポリポーシスを認める。その他、ハウストラの消失(鉛管像)や腸管の狭小・短縮が認められる。
  • c) 生検組織学的検査:活動期では粘膜全層にびまん性炎症性細胞浸潤、陰窩膿瘍、高度な杯細胞減少が認められる。いずれも非特異的所見であるので、総合的に判断する。寛解期では腺の配列異常(蛇行・分岐)、萎縮が残存する。上記変化は通常直腸から連続性に口側にみられる。
  • b)c)の検査が不十分、あるいは施行できなくとも切除手術または剖検により、肉眼的および組織学的に本症に特徴的な所見を認める場合は、下記の疾患が除外できれば、確診となる。
    除外すべき疾患は、細菌性赤痢、アメーバ性大腸炎、サルモネラ腸炎、キャンピロバクタ腸炎、大腸結核、クラミジア腸炎などの感染性腸炎が主体で、その他にクローン病、放射線照射性大腸炎、薬剤性大腸炎、リンパ濾胞増殖症、虚血性大腸炎、腸管ベーチェットなどがある。
潰瘍性大腸炎の内視鏡像

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)広報活動/専門育成プロジェクト

潰瘍性大腸炎のX線像

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)広報活動/専門育成プロジェクト

潰瘍性大腸炎の病期の分類

松井敏幸.難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(渡辺班)
平成21年度総括・分担研究報告書.2010:p485-488

潰瘍性大腸炎の重症度

排便回数、血便、発熱、頻脈、貧血、赤沈の程度によって、重症度、中等度、軽症に分けられます。軽症では、通院による治療が可能ですが、重症は入院治療が必要になります。

注)軽症の3)、4)、5)の(-)とは37.5℃以上の発熱がない。90/分以上の頻脈がない。Hb10g/dl以下の貧血がないことを示す。
注)重症とは1)および2)の他に全身症状である3)または4)のいずれかを満たし、かつ4項目以上を満たすものとする。軽症は6項目すべてを満たすものとする。
注)上記の重症と軽症との中間にあたるものを中等症とする。
注)重症の中でも特に症状が激しく重篤なものを劇症とし、発症の経過により、急性劇症型と再燃劇症型に分ける。
@重症基準を満たしている。
A15回/日以上の血性下痢が続いている。
B38℃以上の持続する高熱がある。
C10,000/o3以上の白血球増多がある。
D強い腹痛がある。

潰瘍性大腸炎の病変の拡がりによる病型分類

松井敏幸.難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(渡辺班)
      平成21年度総括・分担研究報告書.2010:p484-488

潰瘍性大腸炎の罹患範囲

潰瘍性大腸炎の臨床経過による分類

松井敏幸.難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(渡辺班)
平成21年度総括・分担研究報告書.2010:p484-488

潰瘍性大腸炎の臨床経過

厚生労働省.2007年度臨床調査個人票集計資料

潰瘍性大腸炎の活動期内視鏡所見による分類

クローン病の重症度

治療に際し、重症度分類を下記の項目を参考に行う。

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)
平成28年度分担研究報告書 別冊:p19

潰瘍性大腸炎の診断の手順フローチャート

クローン病診断の手順フローチャート

潰瘍性大腸炎の治療

潰瘍性大腸炎は、再燃と寛解を繰り返し、長期にわたって治療を要する疾患です。

現状、本疾患を完治させる治療方法がないため、治療の目的は、活動期には炎症を速やかに抑え、早期に寛解導入を図るとともに、寛解期には再燃を防ぎ、より長く寛解を維持させることで患者のQOLを向上させることにあります。

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)広報活動/専門育成プロジェクト

潰瘍性大腸炎における各種治療薬・治療法の位置づけ

潰瘍性大腸炎の基本的な治療薬で主に軽症から中等症の患者さんに用いられます。

潰瘍性大腸炎の9割以上の患者さんは軽症から中等症にあたるため、ほとんどの患者さんが用いている薬剤です。

この薬剤を上手に用いることでステロイドの使用量を減らすことができます。
 5-ASA製剤は寛解導入(炎症を抑え込む)と寛解維持(抑え込んだ炎症が再燃しないようにする)の両方に効果があり、経口製剤と局所製剤(注腸薬,座薬)があります。経口製剤にはペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリンがあり、それぞれ大腸に有効成分である5-ASAを到達させるための工夫が異なっています。

ペンタサは時間依存性の薬剤であり、腸で溶けるコーティングで覆われています。
ペンタサは内服した後に小腸から徐々に溶け出し、小腸から大腸まで5-ASAが放出されます。

一方、アサコール・リアルダはpH依存性の薬剤で、アルカリ性によって溶けるコーティングで覆われています。
そのため大腸で溶けて中身の5-ASAが大腸で放出されます。

サラゾピリンは、5-ASAにスルファピリジンが結合していて、大腸でスルファピリジンが取れることにより5-ASAが放出されます。
5-ASA製剤は内服する量が増えれば増えるほど、大腸に到達する5ASAが増えるため、用量依存性の薬効(飲む量を増やすほど薬の効果が高まること)があります。

また、それぞれ大腸への到達方法が異なるため、同じ5-ASAでも種類を変えることによって有効性が変わることがあります。

治療反応性に基づく難治性潰瘍性大腸炎の定義

5-ASA製剤を内服していても血便や下痢といった症状が完全に抑えきれていない患者さんは、5-ASA製剤の飲む量が適正であるか、5-ASA製剤の変更で改善する可能性がないかを相談していきましょう。

5-ASA製剤の飲み薬では、大腸の中でも後半部分にあたる直腸、S状結腸へは薬剤が届きにくいことが知られています。

この弱点を補うため、座薬や注腸などの局所製剤があります。

局所製剤をうまく使うことで、薬剤の届きにくい直腸やS状結腸に高濃度の薬剤を届けることができ、病状のよりよいコントロールができます。直腸にのみ炎症があるタイプの患者さんは座薬のみの治療でよい場合もあります。

潰瘍性大腸炎の基準薬:メサラジン投与のポイント

  • <1>ペンタサ坐剤は病型によらず直腸部の炎症病変に対し有用である。
  • <2>寛解導入療法としてペンタサ錠は国内外の報告より、高用量の効果が高いことから、1日4.0g投与が望ましい。また、アサコール錠では1日3.6gが望ましい。小児でも高用量の効果が高いと知られている。
  • <3>ペンタサ錠経口投与とペンタサ注腸を併用する場合には、経口4.0gと注腸1.0gの併用が望ましい。
  • <4>ペンタサ錠1日1.5g〜2.25gによる寛解維持の場合、コンプライアンスを改善するために1日1回投与が望ましい。2g1日1回投与は1g1日2回投与よりも有用という海外のエビデンスがある。また、ペンタサ錠とペンタサ注腸1日1.0gの2〜3日に1回の間欠投与や週末2日間の併用投与も有用である。小児ではペンタサ錠30〜60r/kg/日を、ペンタサ注腸は1日1.0gを使用する。

中村志郎.難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)
平成26年度総括・分担研究報告書.2015:p60-61,p379-385

潰瘍性大腸炎の外科的治療

内科的治療で改善しない、あるいは増悪する場合や就労就学を含めた日常生活が困難になるなどQOLが低下している場合は、手術適応を検討します。
標準術式として施行される回腸嚢肛門(管)吻合術では肛門機能が温存でき、術後のQOLも良好です。

中村志郎.難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)
平成26年度総括・分担研究報告書.2015:p60-61,p386-388

潰瘍性大腸炎の治療原則

重症度や罹患範囲・QOL(生活の質)の状態など考慮して行います。活動期には寛解導入治療を行い、寛解導入後は寛解維持治療を長期にわたり継続します。なお、寛解の判定は臨床症状や内視鏡を用いるが生検結果は参考にとどめます。

重症例や全身障害を伴う中等症例に対しては、入院のうえ、脱水、電解質異常(特に低カリウム血症)、貧血、低蛋白血症、栄養障害などに対する対策が必要です。また、内科治療への反応性や薬物に よる副作用あるいは合併症などに注意し、必要に応じて専門家の意見を聞き、外科治療のタイミングなどを誤らないようにします。

劇症例は急速に悪化し生命予後に影響する危険があるため、内科と外科の協力のもとに強力な治療を行い、短期間の間に手術の要、不要を決定します。

小児例では、短期間に全大腸炎型に進展しやすい、重症化しやすいなどの特徴があり、成長障害にも配慮した治療が必要です。薬用量等については、小児治療指針を参照してください。

高齢者では、免疫抑制効果の強い治療薬剤による副作用(カリニ肺炎などの日和見感染など)により致死的となることがあるため、治療効果判定などを早期に行い必要に応じて他の治療法や外科治療を 選択する必要があります。

中等症以上の症例では、ステロイド治療が必要となることが多いです。
ステロイド剤は重症度や治療歴などをもとに適正な用量で治療を開始し、漫然とした長期投与や減量中止後短期間における繰り返し投与は副作用や合併症につながることがあるので注意が必要です。
通常、ステロイド使用時の初期効果判定は1〜2週間以内に行い、効果不十分な場合は他の治療法の追加や切り替えを検討します。
腸管外合併症(壊疸性膿皮症など)の難治例も手術適応となることがあるので専門家に相談することが望ましいです。

潰瘍性大腸炎の治療原則

また、ステロイド抵抗例などの難治例や重症例では、血球成分除去療法やシクロスポリン点滴静注・タクロリムスの経口投与・インフリキシマブの点滴静注・アダリムマブの皮下注射などの選択肢がありますが、必要に応じて専門家の意見を聞くことが望ましいです。特に強い免疫抑制を伴う治療の重複使用においては、感染症などのリスクを考慮し慎重に行いましょう。

重症例・ステロイド抵抗例の治療は専門知識を要するため、可能な限り専門家に相談することが望ましいです。

B型肝炎ウイルス感染者(キャリアおよび既往感染者)に対し各種の免疫を抑制する治療を行う場合、HBVの再活性化によるB型肝炎を発症する可能性が考慮されます。このため抗TNF-α抗体療法の導入に 際しても、「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班」の示す“免疫抑制・化学療法のより発症するB型肝炎対策ガイドライン(改訂版)”に基づいた医療的対応が必要です。
※免疫を抑制する治療としては、副腎皮質ステロイド(中等量以上)、アザチオプリン、6-MP、シクロスポリン、タクロリムス、抗TNF-α抗体製剤(インフリキシマブ・アダリムマブ)が該当します。

抗TNF-α抗体製剤治療では結核併発のリスクが報告されており、本剤の投与に際しては十分な問診および胸部X線検査に加え、インターフェロンY遊離試験またはツベルクリン反応検査を行い、疑わしい場合には積極的に胸部CT検査も併用する必要があります。
これらスクリーニング検査で陽性所見が一つでもあれば潜在性結核感染を疑い本剤開始3週間前からINH(原則300mg/日)を6〜ヶ月間投与します。
ツベルクリン反応等の検査陰性例や、抗結核薬による予防投与例からも導入後に活動性結核が認められた報告が有り、本剤治療期間中には肺および肺外結核の発現に留意し、経過観察を行います。
手術療法など外科治療の詳細については、外科治療指針を参照してください。

平成28年度潰瘍性大腸炎治療指針(内科)

*:現在保険適応には含まれていない 、** インフリキシマブ・アダリムマブで寛解導入した場合
5-ASA経口剤(ペンタサ®顆粒/錠、アサコール®錠、サラゾピリン®錠、リアルダ®錠) 5-ASA注腸剤(ペンタサ®注腸) 5-ASA坐剤(ペンタサ®坐剤、サラゾピリン®坐剤 ) ステロイド注腸剤(プレドネマ®注腸、ステロネマ®注腸 )ステロイド坐剤(リンデロン®坐剤 )

※(治療原則)内科治療への反応性や薬物による副作用あるいは合併症などに注意し、必要に応じて専門家の意見を聞き、外科治療のタイミングなどを誤らないようにします。薬用量や治療の使い分け、小児や外科治療など詳細は本文を参照してください。

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)平成28年度総括・分担研究報告書

クローン病における各種治療薬・治療法の位置づけ

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)
知っておきたい治療に必要な基礎知識参照

治療薬一覧

5-ASA製剤の特徴

ペンタサ・アサコール・リアルダの有効成分は同じメサラジンで、コーティングに違いがあります。

ペンタサは「 時間依存性」と呼ばれ、小腸から大腸に至る広い範囲で、メサラジンを放出します。
アサコール/リアルダは「pH依存性」と呼ばれ、コーティングはpHの低い胃や小腸では溶けず、大腸に達してからメサラジンを放出します。

妊娠を迎える炎症性腸疾患患者さんへ

Q1.炎症性腸疾患患者さんは、普通の人と同じように妊娠できますか?

→炎症性腸疾患が落ち着いた状態(寛解期)であれば、病気であるというだけで、男女とも不妊率が上がることはありません。しかし、病気が落ち着いていない状態(活動期)にあると、女性の患者さんは妊娠しづらくなる可能性が指摘されています。

Q2.妊娠にあたってどのような準備が必要ですか?
 病気がどのような状態のときに妊娠するのが良いのでしょう?

→計画的に妊娠を希望される場合は、その旨を主治医にまず伝えてください。
主治医に服用している薬に問題がないか調べていただきましょう。
おおむね炎症性腸疾患に使われる薬は安全性が高いものが多いですが、中には変更すべきものもあるかもしれません。

Q3.女性の場合、妊娠・出産で病気が悪化することはあるのでしょうか?

→潰瘍性大腸炎の場合、病気が落ち着いた状態(寛解期)に妊娠した場合は、その後増悪する頻度は妊娠していない時と変わらないと言われています。
つまりこの場合も影響がないからです。
クローン病の場合、妊娠をされたから病気が良くなったり悪くなったりすることはあまりないようです。

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)知っておきたいな基礎知識Q&A参照

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