大腸がん・大腸ポリープについて

治療の目的・対象となる方

大腸がんは、現在増加傾向にあり、死亡統計でみても、男性では肺がん、胃がんについで3位、女性では1位に位置にしています。食生活の欧米化に伴って、増加してきたと言われています。

大腸がんではその発生において、大腸ポリープとの関連が認められております。
私がNature Medicineに報告したデータですが、普通の大腸粘膜から良性の腺腫、そして早期がんとなっていく過程で、いくつかのがん抑制遺伝子、がん遺伝子が変異していく多段階発がんが証明されています。とくに、17番染色体の短腕に存在するp53というがん抑制遺伝子が変化すると良性の腺腫から悪性の腺がんになることがわかっています。
したがって、大腸にポリープが見つかった場合、すぐに取ってしまえば大腸がんになるリスクを減らすことができるということです。

大腸ポリープも、大腸がんに対する意識の高まりや便潜血検査、大腸検査の普及もあり、発見率も増えてきました。大腸ポリープは、良性・悪性のどちらに対しても用いられる言葉ですが、一般的に狭い意味では良性のものをさしており、p53がん抑制遺伝子が変化して機能しなくなり、がん化した際に“腺がん”と表現されます。

腺腫は5mm以上になるとがんの併存する危険性が増してきます。成長する速さは、個々まちまちですが、平らなものほど悪性化したときに浸潤しやすく、成長の速度も早いと考えられています。これは、多段階発がんのうち、いくつかの遺伝子変化の過程を飛び越えて、いきなりp53が変化したと考えられています。この場合、ガン細胞のまわりに良性のポリープの組織がないために、すみやかに、深く大腸の壁のなかにはいっていって、早期がんから進行がんになりやすくなってしまうからです。大腸がんは、早期がんと進行がんに分けられます。

治療

5mm以上のポリープは、切除が必要です。

良性のポリープならば、内視鏡的に切除できます。しかし、一部にがん化していても、粘膜内にとどまっていれば、同様に内視鏡で切除可能です。

非常に幅の広いタイプのものやがんが粘膜から深く根を生やす(浸潤した)ものでは、大きく深くとる必要があるため、がんやポリープの組織を残したり、腸の壁に穴が開いたり(穿孔)することがあります。
そのため内視鏡的な粘膜の切除を行うときは、外来では治療しにくいため、入院して内視鏡的に切除治療します。大腸壁にかなり浸潤していることが考えられるときは腸の切除を腹腔鏡もしくは開腹術にて手術がなされます。

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