子どもが嘔吐したときの対処法
お子さんが吐いてしまった。
親御さんとしてはとても心配になる場面だと思いますが、冷静に判断し、医療機関を受診するべきか経過を見るべきか見極めていきましょう。
観察するポイント
お子さんが嘔吐してしまった場合には以下の点をよく観察するようにしましょう。
- 嘔吐の回数(何度も繰り返し吐いてしまうのか)
- 腹痛はあるか
- 頭痛はあるか
- 機嫌が悪くはないか
- 食欲はあるか
- 下痢を起こしていないか
- 発熱していないか
赤ちゃんの嘔吐の場合
ゲプッと少量吐いた後、特にケロリとしている場合には心配ありません。
もともと赤ちゃんの場合には、まだ胃の入り口(噴門)の発達がしておらず筋肉が弱い状態です。なのでちょっとの刺激やミルクを飲んでも吐いてしまうことがあるのです。
体重が順調に増えている場合には、多少吐いてしまっても問題はありません。
幼児の嘔吐の場合
幼児はかぜをひいていたり、胃腸炎の時には吐きやすくなります。
1歳以上の幼児であれば、赤ちゃんのときほどは吐かなくなります。かぜの時などにせき込んだ拍子に少しだけ吐いてしまうこともありますが、あまり心配する必要はありません。
重要なのは、熱を出していたり頭痛がある、または血便など、他の症状を一緒に起こしているかしっかり観察することです。
しばらく様子をみても大丈夫な場合
- 吐く回数は5回以内で収まり、吐いた後も元気である
- 吐き気が収まった後に水分補給ができる
- 下痢、熱などはなく、身体は元気である
- 食欲、元気があり、睡眠もとれる
上記のような場合には、ご家庭で様子を見ても大丈夫です。
休んでから医療機関を受診しましょう。
早めに救急外来を受診した方がいい場合
- 嘔吐と下痢を同時に繰り返す
- 吐いたものに、血や胆汁(緑色)が混じっている
- 頻繁におう吐し、コーヒーかすのような色や黄色の胃液になった
- 頭痛がある、または頭を打った後に嘔吐した
- けいれん(ひきつけ)を伴い、意識もぼんやりしている
- おしっこが半日以上出ていない
- 唇や舌が乾いている
上記のような状態の場合には、早急に外来を受診してください。
ワンポイントアドバイス
ご家庭で対処すること
- 吐き気の強い時に食べたり飲んだりしてしまうと、かえって嘔吐が増えてしまうので、30〜2時間程度は飲食させずに様子をみましょう
- 嘔吐する間隔が空いたら、湯ざましやお茶、イオン飲料を少しづつ飲ませてあげましょう
- 胃腸を休めるため、固形物は控えてください
- 脱水症状になりやすいため、吐き気が収まるのを待ってから水分は十分に取らせましょう
注意すること
- 牛乳、乳製品、炭酸飲料、柑橘類の果汁などは避けてください
- 吐いたものを肺に吸い込んでしまったりしないように、寝ているときは身体や顔は横に向けるなどしましょう
- 吐いたものを始末した際には手をよく洗いましょう
子どもの嘔吐に関するよくある質問
吐きやすい時、吐き気の収まった時の食事はなにがいいでしょう?
消化のいいおかゆや、うどんなどの炭水化物から、少しづつ食べさせてください。
油が多いものや牛乳などの乳製品、ラーメンは避けてください。
脱水症状を防ぐにはどんなものをとらせればいいでしょうか?
塩分が失われてしまいますので、塩分を含む食品を補充してあげましょう。
イオン飲料は大人用とこども用で何か違いますか?
イオン飲料は塩分と糖分が見ずに溶けているもので、水よりも早く水分や塩分を体に吸収させてくれます。
大人用のものは子ども用に比べて糖分が多く含まれています。