インフルエンザ予防接種のご案内

 

2023年度のインフルエンザワクチン予防接種のご案内です。

接種開始

9/11(月)

予約方法

ご予約は代表電話(042-710-2251)までご連絡下さい。

こちらからインフルエンザ問診票のダウンロード(一般用)ができます。

接種費用・回数

1)高校3年生(18歳)まで(小学生までは2回接種):1回 3,000円(税込)
2)それ以外の方:1回 4,000円(税込)
3)65歳以上の町田市在住の方:10/10(火)より助成により2500円で接種できます。



インフエンザ対策

インフルエンザワクチンを接種すれば、インフルエンザにかかることを100%予防できるわけではないとされてます。

インフルエンザは主に飛沫核感染のため咳エチケットが大切ですし、接触感染もあるため手洗いも重要です。

また、インフルエンザワクチンの感染予防効果は100%ではなく、例えば米国のCDC(疾病予防管理センター)による2016-17年の季節性インフルエンザワクチンの有効率はA型B型の全年齢で40%、うち6カ月〜8歳の小児では57%と報告されています。

抗インフルエンザウイルス薬による予防は、高齢者や慢性呼吸器疾患などのハイリスク疾患を有するなどインフルエンザにかかった場合に重症化しやすい方で、同居者がインフルエンザにかかった場合などは使用が考慮されますが、安易な使用は耐性ウイルスの出現の可能性も完全には否定できないため、避けた方が無難と考えられています。

タミフルの10歳代の患者への使用制限は無くなりました。

タミフルは従来、新生児・乳児は適用外だったのが、2016-17年シーズン前に幼小児の2mg/kg体重よりも多い3mg/kg体重の用量で適用追加されました。本薬は添付文書で症状発現2日以内に投与開始することになっていますが、これは発症48時間経過後に投与開始した患者での有効性データがないためです。

タミフルは2006-07年シーズン途中から異常行動との関連が疑われ10歳代の使用が制限されました。
しかしながら、その後、異常行動は他の抗インフルエンザ薬の使用後や未使用でも起こり、タミフル特有ではないとして、2018-19年シーズンから10歳代の使用制限が解除されました。

学校保健安全法施行規則では、インフルエンザに罹患した小中学生は発症後5日または解熱後2日を経過すれば学校に登校できます。

インフルエンザは増殖が極めて早く、潜伏期は1〜2日で発症1日前にはウイルスを排泄し、感染力があるとされています。

インフルエンザの合併症として時に致死的なのは肺炎、脳症、心筋炎であり、頻度が比較的高いのは中耳炎(10数%との報告があり、特に2歳以下は高い)です。特に、急速進行型心筋炎にかかると大病院のパートチームのもとで治療を受けない限り、数時間で危険な状態となります。

インフルエンザではライ症候群などとの関連で、非ステロイド性抗炎症薬(サリチル酸系、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸など)の使用は控え、安全性の高いアセトアミノフェンが推奨されています。

学校保健安全法施行規則第19条では、学校の出席停止期間は発症後5日かつ解熱後2日を経過するまで(ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めた場合はこの限りではない)、とされています。

ゾフルーザの予防的投薬は承認されていません。

ゾフルーザは従来のノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル等)とは全く作用機序の異なる新しい抗インフルエンザ薬で、1回の内服で治療が完結します。

ゾフルーザは「予防投与における有効性及び安全性は確立していない」として現時点で予防投薬は承認されていません。

ゾフルーザの添付文書上の用量は、12歳以上は基本的に40mgですが、体重が80kg以上では80mgです。また12歳未満の場合、40kg以上は40mgですが、10〜20kgでは10mg、20〜40kgでは20mgと体重で用量が異なります。

なお顆粒剤が追加されましたが、この顆粒は体重20kg未満の小児での使用は現時点では認められていません。

A/H1N1ソ連型は2008-09年シーズンまで毎年のように流行し、ワクチン株に使用されていました。しかし2009年に同じA/H1N1亜型のH1N1pdm09型が登場してからソ連型は姿を消し、現行の季節性ワクチンにはA/H1N1pdm09型株が使用されています。

現在流行しているA/H1N1pdm09型のタミフル耐性株の比率は2013-14年シーズン当初は北海道等で高かったものの、最終的には4.1%に落ち着き、直近の2017-18年も1.6%と極めて低く耐性株はまれです。

アマンタジンは、現在流行しているA亜型のH3N2およびH1N1pdm09型ウイルスの遺伝子型がいずれも耐性型で、インフルエンザでの使用は推奨されていません。

季節性ワクチンは2014-15年までは3価(A/H3N2型、A/H1N1pdm09型とB型は山形系統かヴィクトリア系統のいずれか)でしたが、2015-16年用からは、B型の両系統を含む4価ワクチンに変更されました。

本年度2023-24年のインフルエンザワクチンについて

A 型株

A/ビクトリア/4897/2022(H1N1) A/ダーウィン/9/2021(H3N2)

B 型株

B/プーケット/3073/2013(山形系統) B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統

有効成分

インフルエンザウイルス(A型・B型)のHA画分 1 株当たり 30μg 以上(HA 含量(相当値)

添加剤

リン酸水素ナトリウム水和物 3.53mg リン酸二水素ナトリウム水和物 0.54mg 塩化ナトリウム 8.50mg チメロサール 0.008mg

用法及び用量に関連する注意

接種間隔

2回接種を行う場合の接種間隔は、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい。

同時接種

医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に 接種することができる。

被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診 等)によって健康状態を調べること。

本剤は添加剤としてチメロサール(水銀化合物)を含 有している。チメロサール含有製剤の投与(接種)に より、過敏症(発熱、発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒等) があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、 接種後は観察を十分に行うこと。 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は 避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監 視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高 熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速や かに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

世界的に広がったインフルエンザの2009年のパンデミック発生時に、日本は先進国のなかでも1番死亡率が低くおさえることができました。

A型インフルエンザは100種以上の亜型があり、抗原性が大きく変わると爆発的大流行(パンデミック)を起こします(前世紀のスペイン型、アジア型、香港型、2009年のH1N1pdm09型など)。

B型は2系統(山形とヴィクトリア)あっても亜型はなく、大きな変異やパンデミックは起きません。

2009年パンデミックの日本での死亡率は10万人あたり0.16人と先進国最少で、理由として抗インフルエンザ薬による早期治療などがあげられます。

2009年の経験から2013年施行の特措法で新型等発生時に医療や国民生活の安定、新型対策等を行う関係者、公務員等を対象にインフルエンザワクチンの特定接種が定められました。

パンデミック発生からワクチン完成までの間の対応用にプレパンデミックワクチン原液が備蓄されています。現在備蓄分のH5N1株のうち2019年期限切れ分は、中国で感染者が増加傾向にあるH7N9株への切り替えが予定されています。

点滴型のノイラミニダーゼ阻害薬ペラミビルは外来でファーストチョイスで使っても問題ないです。

ノイラミニダーゼ阻害薬ペラミビルは点滴静注液のため経口剤や吸入剤の使用が困難な患者や状況でも使用可能です。

また、日本ではタミフル(オセルタミビル)投与が添付文書で認められていない1歳未満も含めて全年齢での投与が可能である点など,他の抗インフルエンザ薬(抗イ薬)にはないメリットもあります。

ただ本剤の添付文書の使用上の注意には,「本剤は点滴用製剤であることを踏まえ,経口剤や吸入剤等の他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を十分考慮した上で,本剤の投与の必要性を検討すること。」とあり,経口剤や吸入剤等の使用を優先し,これらの薬剤の投与が困難なときに本剤の使用が勧められる,と受け取れる文面があります。

一方,同じ添付文書上の注意として「本剤の投与は,症状発現後,可能な限り速やかに開始することが望ましい、ともあります。

参考

抗インフルエンザ薬を投与しても熱が下がらない患者さんへはどのように対応すればよいですか?

ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬投与後の解熱時間(薬剤投与開始から37.5℃を切るまで)の調査結果では、耐性Aソ連型が流行した2008-2009年シーズンのオセルタミビル以外は、いずれのシーズン、いずれのNA阻害薬も解熱時間はおおよそA型で20〜30時間前後、B型では30〜40数時間でした.

つまり大部分の症例では発症48時間以内に抗インフルエンザ薬(抗イ薬)のNA阻害薬を投与開始すれば翌日か、遅くとも翌々日(投与開始日を含めて3日目)には解熱が得られます(特にA型).

ただこの間にも高熱で体力の消耗が激しい方、熱性けいれんの恐れのある方、などでは適宜解熱剤(原則としてアセトアミノフェン)の投与は差し支えありません.

しかしこれ以上発熱が続き、解熱の兆しがみられない場合は(特にA型)、肺炎、心筋炎などのその他の合併症の可能性もあり、必要に応じて諸検査の実施や抗菌薬の投与、場合によっては大学病院などの高度専門医療機関への受診なども考えてください。

ただし、何らかの基礎疾患がありハイリスクと考えられる場合、あるいは高齢者などではもっと早い段階から抗菌薬を使用したほうがよいとする考えもあります。

なお合併症などがなくても、特にB型では抗インフルエンザ薬投与後もだらだらと発熱が遷延する場合があり、このようなケース(たとえば72時間以上の発熱遷延)ではウイルスが残存しているとされています。

しかしながら、抗インフルエンザ薬の投与方法や回数は添付文書により定められているため(オセルタミビルとザナミビルは1日2回5日間、ラニナミビルは1回)、例外的に連日や複数回の投与が可能なペラミビルを除いては、発熱や症状が続くからといって規定以上に抗インフルエンザ薬を追加投与したり、他の抗インフルエンザ薬を併用することは保険診療上、原則としてできません.

そのためこのような場合でも前述の解熱剤などによる対症療法しか選択肢がないのが現状です. ただインフルエンザ自体がself-limitedの病気であるため、特に免疫抑制状態や前述の合併症などがなければ、大部分の症例は多少時間がかかってもウイルスや症状は次第に消失していくと考えられます.

夜間休日診療で抗インフルエンザ薬の処方制限はありますか。

抗インフルエンザ薬のうち現在治療の中心となっているタミフルのようなノイラミニダーゼ阻害薬は現在4種類あります。

このうち1回投与のラニナミビルとペラミビル(本薬は複数回投与も可能)は基本的に夜間休日診療所で治療の完結が可能です。

またザナミビルは1回2ブリスター(10mg)を5日間合計20ブリスター吸入することになっており,20ブリスターが専用吸入器と一緒にセットになっていて5日分まとめて投与するしか選択肢がないと思われます。

したがってご質問にあるような投与日数が問題となるのは現在ではタミフル(オセルタミビル)のみと思われます。

ラニナミビル,ペラミビルが発売される2010年以前,特に香港型のほとんどがアマンタジンに耐性化する2006年頃まではオセルタミビルとともにアマンタジンもよく使われ,これら経口薬2剤については,多くの地域の休日診療所では休日の日数分だけの投薬が一般的でした。すなわち日曜日の受診であれば1日分の投薬,2連休の初日であれば2日分の投薬,という形が多かったと思います(夜間診療もほぼこれに準じます)。

この理由は,夜間休日診療は基本的に休日明け,夜間明けは診療をしておらず,初期手当のみ行ってあとはかかりつけの医師の診療を受けるように促す意味合いが大きかったと思われます。

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