就学前の三種混合・ポリオワクチン
「4回打ったから大丈夫」そう思っていたお母さまへ

小学校入学前。ランドセルを選び、少しずつ"お兄さん・お姉さん"になっていく時期。

実はこのタイミングは、「免疫をもう一度整える時期」でもあります。

まず最初に 年長さんには「無料ワクチン」があります

小学校入学前になると、MRワクチン(麻しん・風しん)2期を受けます。

これは定期接種(公費・無料)です。

なぜ2回目が必要なの?

麻しんは非常に感染力が強く、高熱・肺炎・脳炎などを起こすことがあります。

1回だけでは十分な免疫がつかないお子さんもいるため、小学校入学前にもう一度接種して、

免疫をしっかり完成させます。

そして今、もうひとつ大切と言われているワクチンがあります

それが、三種混合+ポリオの「5回目接種」です。

こちらはMRワクチンと違い、任意接種(自費)になります。

「任意接種」って、必要ないの?

医学的な有用性が指摘されている一方で、現時点では任意接種となっているワクチンです。

任意接種は「不要」という意味ではありません。

日本小児科学会は2018年から、就学前(5〜6歳)での三種混合ワクチンおよび不活化ポリオワクチンの追加接種を推奨しています。

なぜ今すすめられているの?

2025年、日本では全国的な大規模な百日咳流行がみられました。

特に増えたのが、小学生・中学生です。

赤ちゃんの時に打ったのに、なぜ?

実は、百日咳やポリオに対する免疫は、時間の経過とともに少しずつ低下していくことが知られています。特に就学前から学童期にかけて、その影響が目立つようになります。

そのため、小学生・中学生・大人が感染し、赤ちゃんにうつしてしまうケースが問題になっています。

なぜ免疫が下がるのでしょうか

現在の百日咳ワクチンは、安全性が高く副反応が少ない優れたワクチンです。

ただし、免疫の持続がやや短いという特徴があります。

  • 抗体はしっかり作られるが、長く続きにくい
  • 感染そのものを完全には防ぎにくい
  • 免疫の記憶が長期間持続しにくい

つまり、「効かないワクチン」ではなく、「時間とともに弱くなるワクチン」なのです。

乳幼児期に4回接種した抗体は、その後4〜10年程度でゆっくりと低下します。

2013年の調査では、1歳までに4回接種した子どもの約6割で、小学生時点の百日咳毒素(PT)に対する抗体価が大きく低下していることが報告されています。

多くの国では「5回接種」が標準です

多くの国で就学前のブースター接種が導入されており、欧米諸国では合計5回接種することが標準となっています。

本当に守りたいのは、赤ちゃんです

百日咳は年長児や大人では軽い咳で済むことが多い病気です。

しかし赤ちゃんでは、呼吸停止・肺炎・重症化・死亡といったリスクがあります。

感染源の多くは兄弟や親などの身近な家族です。

この追加接種には2つの意味があります。

  • お子さん自身を守る
  • 周囲の赤ちゃんを守る

ポリオも同じ考え方です

ポリオも時間とともに免疫が低下します。

日本では野生株による発症はありませんが、海外から持ち込まれるリスクはゼロではありません。

そのため、就学前に免疫を補うことが勧められています。

年長さんで、本当に必要なのは何でしょうか

就学前に追加接種が推奨されているのは以下の4つです。

  • 百日咳
  • ジフテリア
  • 破傷風
  • ポリオ

そのため、日本小児科学会は

三種混合ワクチン(DPT)と不活化ポリオワクチン(IPV)の追加接種

を推奨しています。

五種混合ワクチンについて

最近、「三種混合ワクチンが不足しているため、五種混合ワクチンをすすめられました」

というご相談を受けることがあります。

五種混合ワクチンには、ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオに加えて、Hib(ヒブ)が含まれています。

五種混合は乳幼児期の定期接種用ワクチンです

Hibは乳幼児期の細菌性髄膜炎予防に非常に重要なワクチンです。

しかし、多くのお子さんでは乳幼児期に十分な免疫が完成しています。

そのため、就学前にあらためてHibを追加する必要性は高くありません。

就学前追加接種として本来必要なのは百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオであり、

理想的な追加接種は三種混合ワクチン+不活化ポリオワクチンです。

当院の考え方

当院では、就学前追加接種としては三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンをおすすめしています。

五種混合ワクチンは乳幼児期の定期接種用ワクチンであり、就学前追加接種の標準的な方法ではありません。

そのため当院では、三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンによる接種をご案内しています。

日本小児科学会は、就学前(5〜6歳)での三種混合ワクチンおよび不活化ポリオワクチンの追加接種を推奨しています。

年長さんでおすすめするワクチン

三種混合ワクチン(DPT)5回目

料金:6,500円(税込)

ジフテリア・百日咳・破傷風を予防します。

不活化ポリオワクチン(IPV)5回目

料金:9,200円(税込)

ポリオによる麻痺を予防します。

副反応について

最も多いのは接種部位の赤みや腫れです。

通常は数日で自然に改善します。

発熱がみられることもありますが、多くは一時的です。

助成・費用について

2026年4月現在、町田市および相模原市では三種混合5回目・ポリオ5回目とも任意接種で、公費助成はありません。

東京都全体としても統一した助成制度はなく、一部自治体のみ独自助成を行っています。

制度は変更される可能性がありますので、最新情報は自治体へご確認ください。

※自治体の助成制度やワクチン価格は変更されることがあります。最新の情報は当院までお問い合わせください。

当院からのご案内

当院では以下のワクチンについてわかりやすくご説明しています。

  • MRワクチン2期(定期接種・無料)
  • 三種混合ワクチン
  • 不活化ポリオワクチン

ワクチンはお取り寄せとなる場合があります。

ご希望の方は事前にご予約ください。(TEL:042-710-2251)

小学校入学前に、お子さまの免疫をもう一度整えてあげませんか

「4回打ったから、もう大丈夫」

そう思っていたご家庭にこそ、知っていただきたい追加接種です。

お子さん自身を守るために。

そして、生まれたばかりの赤ちゃんを守るために。

就学前の今だからこそ、ワクチンについて一度確認してみましょう。

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